蓄熱式脱毛の登場により、例えば全身脱毛などの広い体表面積でも、従来より大変短時間で脱毛施術が行えたり、痛みが軽減されることによって麻酔を使わずに脱毛施術が行えることから、レーザー脱毛を受ける人たちは低年齢化をすることになります。レーザー脱毛を受ける人たちや、またレーザー脱毛そのものに関心を持つ人たちが増えるということは、「脱毛があらゆる年代にとって身近になった」ともいえるでしょう。レーザー脱毛は、メジャーな脱毛方法の一種であり、その他IPL(光)方式の脱毛・NPL方式の脱毛も同様に、広く一般の美意識が高い方々に、大きな認知を獲得することになりました。よって私たちは、蓄熱式脱毛の登場は、美容業界の前進に大きく貢献した出来事であると認識しています。前回のコラムでは、レーザー脱毛のメカニズムを理解するため、前提となる因果関係の強い要素であるメラニン・毛周期・バルジ領域などの内容をお伝えしました。今回のコラムでは、現在日本国内に導入されている蓄熱式脱毛のレーザー脱毛器(マシーン)機種をご紹介いたします。
【目次】
1.蓄熱式脱毛のレーザー脱毛器(マシーン)機種について
2.脱毛に関わる重要な因子。前回の補足点。
3.今回のまとめ
蓄熱式脱毛のレーザー脱毛器(マシーン)機種について
2021年の調べでは、現在日本国内に導入されている蓄熱式脱毛のレーザー脱毛器(マシーン)は、その数7機種だといわれています。イスラエルのAlma Lasers(メーカー名)からは、「ソプラノXL」・「ソプラノice Platinum Titanium」の脱毛器(マシーン)2種が展開されており、ソプラノXLは、波長が810nm、パルス幅が20mm/秒、照射口径が1cm²であるということが特徴です。ソプラノice Platinum Titaniumは、ソプラノXLより少し複雑な構造をしており、それは3波長同時照射(それぞれ755nm・810nm・1064nm)の構造であったり、照射口径が1.0 cm²・2.0cm²・4.0cm²の3タイプである設計を指しています。パルス幅に関しては、ソプラノXLと同様で、20mm/秒の設計でつくられています。ヨーロッパの蓄熱式脱毛のレーザー脱毛器(マシーン)は3種であり、まずはドイツのAsclepion社の脱毛器(マシーン)「メディオスターNextPro」は、これも2波長同時照射である(それぞれ808nm・940nm)。パルス幅は6mm/秒〜400 mm/秒・照射口径は1.4 cm²・3.0 cm²・9.12 cm²の3タイプの設計になっています。イタリアの蓄熱式脱毛のレーザー脱毛器(マシーン)は2種あり、DEKA社の「MotusAX」は、755nmの波長で、パルス幅は5mm/秒〜400 mm/秒・照射口径は3.14cm²である。また同じくイタリアQuanta社の「Thunder MT」は、2波長同時照射であり(それぞれ755nm・1064nm)、パルス幅は0.3mm/秒〜300 mm/秒・照射口径は0.81 cm²です。韓国メーカーは2機種であり、一つはILOODA社の「VIKINI」で、波長は808nm・パルス幅は13mm/秒〜625 mm/秒・照射口径は1.32cm²となっています。またもう一方は、GTG Wellness社の「DEPILIGHT」といい、同じく波長は808nm・パルス幅は10mm/秒〜430 mm/秒・照射口径は0.81cm²となっています。
脱毛に関わる重要な因子。前回の補足点。
脱毛に関わる重要な因子とは、例えばメラノサイトで生成される「メラニン」であったり、「脱毛期は、毛軸がないために脱毛効果が出ない」というように「毛周期」もまた重要であったり、NPL方式の脱毛器(マシーン)がアプローチをする、バルジ領域への理解が必要だということは、前回のコラムでお伝えしたとおりです。しかしそれほど重要ではありませんが、その他にも脱毛にとって重要な因子が存在します。それは例えば局所的な表皮メラニンであったり、皮毛角であったり、脂肪前駆細胞であったり、血流であったり、毛球部・毛の密度などが関連しています。
今回のまとめ
次回コラムの事例としてお伝えする内容なのですが、脱毛施術を行うにあたって、もちろん重要である要素の一つにサロンやクリニックがそれぞれ使用している、脱毛器(マシーン)のスペックが挙げられます。しかしながらそれと同じくらい脱毛を行う施術者の「技術」「経験」「知識」は大切だといえるでしょう。レーザー脱毛と同じように、IPL(光)方式の脱毛・NPL方式の脱毛といった多くの脱毛器(マシーン)がある中で、それを選択するのも脱毛施術者であり、照射エネルギーを選択するのも脱毛施術者。毛周期を見極めるのも脱毛施術者であるのです。