前回は、古代メソポタミアでの脱毛についてお話をしていきました。古代メソポタミア文明の中心となり、この時代を支えていたシュメール人たち。彼らの脱毛方法は、ピンセットで毛を抜いていくというものでした。（厳密にいうと、脱毛ではなく除毛ですね。）詳しくは分かっていませんが、彼らの脱毛は、美容的なものでなく、宗教的な意味合いが強かったと言われています。体毛を不浄なものという宗教的概念が生まれ、後のヨーロッパ諸国へ広く影響を与えていきました。今回は、美容脱毛の始まりについてお話していこうと思います。
【目次】
1.美容脱毛の始まりは古代オリエントから！ワックス脱毛の原点
2.スレッティング脱毛が現在アメリカでは流行っている？！
3.今回のまとめ
美容脱毛の始まりは古代オリエントから！ワックス脱毛の原点
イスラム教が浸透する以前の地中海沿岸には、古代アラブ人達が住んでいました。彼らは、紐や縄を使って脱毛（除毛）をしていたと言われています。指で紐を操り、毛を挟んで抜いていたとされています。古代アラブは、国家ではなく、ただの部族社会の集まりでした。古代メソポタミアのように、神や占いによって政治を執り行う神権政治を活用し、国家を治めていたシュメール人達とは違い、野蛮な行為をすることも珍しくはなかったようです。そのため、古代アラブ人達の脱毛は、宗教的な意味合いではなく、衛生上の対策として行われていたのではないかとされています。紀元前3000年頃になると、オリエント文明が成立します。オリエント文明は、西は地中海全域、東はイラン高原から中央アジアにまで拡大していました。オリエントとは、ヨーロッパから見て、「日出るところ」をさしています。そんな古代オリエント文明から、美容としての脱毛が始まります。古代オリエント文明のアッシリアやその後に広く繁栄したペルシャでは、王が複数の妻を持ち、男子禁制とするハーレム制度が主流となっていました。その為、ハーレムの中にいる皇后や側室、その側近の侍女達を中心として、ムダ毛処理が一般的に行われていました。このハーレムの中では、脱毛剤を使用しての除毛を行なっていました。この脱毛剤に使用されていたのは、硫黄、石灰、でんぷんを水でペースト状にしたものでした。現在のワックス脱毛の原点となるものだと言えますね。ハーレムでは、皇帝に見初められ、寵愛を受けるために見た目を美しくしていく必要があった女性達は、美を求めて脱毛を始めたのでしょうね。
スレッティング脱毛が現在アメリカでは流行っている！
古代アラブ人達が行なっていた、紐や縄による除毛方法は、「スレッティング」と呼ばれる脱毛技術として、現在もこの地方に伝わっています。すレッティングとは、１本１本の毛を糸で巻き取り除毛していく方法です。また、近年では、アメリカで多くのハリウッド女優やモデルを顧客に持つ、スミタ・バトラというカリスマメイクアップアーティストがブームを巻き起こしています。彼女がプロデュースする、アイ＆アイブロー専門のビューティースパから世界中に技術が広まっていきました。眉毛の除毛に使用されるイメージが強いですが、顔全体の産毛の除毛も人気のようです。剃刀での剃毛に比べて、肌への負担が少なく、ピンセットでの除毛に比べると奥深くから抜けるため、平均３週間程もつようです。
今回のまとめ
今回は、古代オリエント地方で始まった脱毛方法についてお話していきました。最初でこそ、アラブ人達は衛生上の対策としていたようですが、時代が進むにつれて、美容的な目的で脱毛をしていくようになったというのが面白いですね。また、紀元前3000年に行われていた脱毛が、海外では特に人気のあるワックス脱毛の原点となる脱毛方法であったり、アメリカで人気のスレッティングの原点であったりと、現在にまで繋がっているのも面白いですね。しかし、ワックス脱毛も、スレッティングも脱毛と謳っていますが、あくまで「除毛」であり、定期的なお手入れが必要であったり、毛そのものが弱くなったり、減毛していくという方法ではないことはしっかりと理解しておいてください。眉毛の下、眼球の上にかかる部分は、どの種類の脱毛でも施術はできないので、そこを整える分には、ワックスやスレッティングは良い方法だと思います。海外の方は、地毛が金髪や茶髪であったり、産毛のような体毛が生えている場合が多かったりするため、従来の脱毛器ではあまり効果が発揮できません。そのため、ワックス脱毛やスレッティングが流行するのでしょうね。
福井脱毛エステティックサロンUNO>>>ichikara
中村真綾
