前回は、古代オリエントで行われていた脱毛についてお話をしていきました。最初のうちは、古代アラブ人達が衛生的な対策として、紐や縄を使って脱毛をしていましたが、文明が発展し、古代オリエント文明のアッシリアとして国家となっていくと、美容目的での脱毛が始まりました。その時の古代の人々の脱毛方法が、現在のワックス脱毛の始まりだったのではないかということに触れていきました。今回は、古代エジプトで行われていた脱毛について触れていきたいと思います。
【目次】
1.古代エジプトの脱毛は、宗教的理由から広まった！
2.剃毛、除毛は身だしなみとして当然！古代エジプト人はおしゃれだった！
3.今回のまとめ
古代エジプトの脱毛は、宗教的理由から広まった！
古代オリエント文明が発生したと同じく紀元前3000年頃、ナイル川流域で誕生したのが古代エジプト文明でした。この、古代エジプトでも、古代メソポタミア文明と同じように、「体毛は不浄である」とされていました。「善と悪の精は頭髪を伝わって出入りする」という迷信があったぐらい、体毛に対して敏感だったのが古代エジプト人達でした。そのため、鋭く研いだ燧石（ひうちいし）やかきの殻などで、ヘアカットやシェービングをしていたそうです。この頃に、専門でカットやシェービングを行う理容業も生まれました。毛を剃ることで、悪の精を追い出そうという宗教的な意味合いで除毛を行なっていたため、理容師は僧侶と薬学者を兼ねた性質を持っていて、除毛作業は宗教的な儀式とされていたそうです。専門家である理容師によって上流階級の人間は、体だけでなく頭部を含めた全身を除毛していました。エジプトの王であるファラオ達も、頭から足の先までツルツルにしてカツラを被っていました。書物によると、この当時の除毛方法は、焼いたハスの葉を油と一緒に亀の甲羅に入れ、カバの脂肪を加えたワックスを肌に塗り、一気に剥がして毛を抜くという方法でした。これらの材料は希少なものであったため、王族などの上流階級の人々しか出来ないような方法でした。
剃毛、除毛は身だしなみとして当然！古代エジプト人はおしゃれだった！
宗教的な理由で始まった古代エジプトの除毛ですが、次第に「無毛の体は美しさの象徴」という思想に発展していきました。古代エジプトの埋蔵品や工芸品の中には、ブロンズで出来た剃刀や、長い刃の剃刀も発見されており、ワックスだけでなく、剃刀による剃毛も行われていたと考えられています。紀元前2600年頃まで、頭髪を剃ったり短くしたりして、カツラを被るということは、王者の特権とされていましたが、権威を表すだけでなく、砂漠の強い日差しやシラミから頭を守るためでもありました。カツラの下に網のネットを被ることで、通気性が向上し、快適に過ごせたそうです。庶民は、暑さとシラミ対策のために、髪を剃るか、短く刈り上げているのが一般的でした。その後、次第にカツラはあらゆる階級に受け入れられていくようになります。人々は、カツラに装飾品を身につけ、顔や体の脱毛に気を配り、ファションや美容にこだわった生活を送っていたようです。特に女性の場合は、無毛のなめらかな肌が好まれたそうです。古代エジプトの壁画などのイメージで豪華な装飾品を人々が身につけているイメージがありましたが、まさに古代エジプト人はおしゃれ好きで美容への関心が高かったようですね。
今回のまとめ
今回は、古代エジプトの脱毛事情についてお話してきました。最初でこそ、宗教的な理由でムダ毛を除毛、剃毛していた古代エジプト人でしたが、だんだんと美容の観点から除毛することが広まっていったということで、美容意識の高い国民性だったことがうかがえますね。また、古代オリエントとはまた違ったワックス剤を用いての脱毛を行なっており、希少価値の高い材料を集めなければならないので、除毛するにも大変だったのだと思うと、現代は本当に恵まれているということを再認識出来ました。次回は、引き続き古代エジプトの脱毛事情についてお話していこうと思います。
福井脱毛エステティックサロンUNO>>>ichikara
中村真綾
