前回まで、古代エジプトの脱毛事情についてお話してきました。古代エジプトでの脱毛は、宗教的な側面、衛生的な側面、美容的な側面と様々な要素を持ち合わせていたようで、世界三代美女として有名なあのクレオパトラも現在でいうワックス脱毛のような方法で脱毛をしていたということが報告されています。今回は、中東イスラム文化圏の人々の脱毛の歴史についてお話していこうと思います。古代エジプトとはまた違った事情があり、面白いですよ。
【目次】
1.イスラム文化は脱毛文化?イスラム教が浸透する前から始まっていた脱毛
2.イスラム教を信仰する人々は、現在もなお脱毛をしている!
3.今回のまとめ
イスラム文化は脱毛文化?イスラム教が浸透する前から始まっていた脱毛
イスラム教が浸透する以前の地中海沿岸に住む古代アラブ人。古代アラブは国家ではなく、ただの部族社会の集まりでした。この頃のアラブ人達は、衛生上の対策として脱毛をしていたと考えられています。その後、7世紀頃になると、現在のサウジアラビアにあるメッカを発祥地として、イスラム教が生まれ、宗教的発展を遂げていきます。約1400年前から存在すると言われている、イスラム文化圏の聖書である「コーラン」には、「ムダ毛は不浄である」と記されています。もともとアラブ時代から存在した、清潔を保つ文化がコーランにも影響を与えたと考えられます。コーランには、男女関係なくワキとデリケートゾーンを脱毛し、清潔に保つことが、厳格に定められていました。その為、イスラムは古くから現在に至るまで、カミソリ等によってムダ毛を処理することが習慣となっています。
イスラム教を信仰する人々は、現在もなお脱毛をしている!
中東では主にイスラム教が信仰されていますが、イスラム教は宗教上の厳しい決まりが定められています。中東の国の1つであるトルコは他民族国家ですが、国民の95%がイスラム教徒です。特にトルコは脱毛大国と言われるほど、男女共にムダ毛の処理にこだわっています。腕のムダ毛はあまり気にしない方も多いようですが、それ以外の毛はほぼ全て処理をします。イスラム教徒にとって、預言者であるムハンマドの教えは絶対的なものなのですが、そのムハンマドの教えとして、聖書「コーラン」に「アンダーヘアとワキ毛を脱毛すること」と載っているのですから、厳格なイスラム教徒は必ず守るのです。ワキは「汗や汚れが蓄積する場所であるため、不浄である」とされており、ワキ毛に関しては、少なくとも40日に1度は必ず脱毛をするようです。イスラム教の衛生管理の文化は古代から受け継がれてきており、他の戒律と同様にとても厳格です。イスラム教の脱毛は、古くから蔓延していたシラミや感染症を防ぐためだとも言えます。一方で、剃ってはいけない部分も決められており、その部分というのが「顔」です。コーランでは「顔に刃物を当てること」も禁止されているのです。そのため、特に厳格なイスラム教徒の方は、ナイロンの糸などを使用して、顔のムダ毛の処理をするそうです。女性の場合は、結婚する際に体の体毛を全てツルツルにすることが決まりとされています。そんなトルコでも、ワックスで除毛することが一般的となっています。自宅でセルフワックスをすることも多いようですが、昔から「ギュゼルリックサロヌ」というペディキュアやマニキュア、ワックス脱毛をしてくれる美容院があり、そちらでムダ毛の処理をする方もいるようです。
今回のまとめ
このように、絶対的存在であるムハンマドにより、聖書に「脱毛すること」と載せられているイスラム教徒の人々は、古くから脱毛をすることが習慣として当たり前でした。余談ですが、中東のイランでは数年前に体のラインがはっきり出る服装、露出の多い服装、ワックスで固めた髪型、男性の眉毛整形といった欧米ファッションが流行しました。しかし、これらのイスラム的でないファッションは、イスラムの教えに反するとして、約3500人が警告を受け、約200人が逮捕されてしまったそうです。脱毛ひとつ、ファッションひとつをとっても国や文化でこんなにも違うものなのですね。
福井脱毛エステティックサロンUNO >>>ichikara
中村真綾