大政奉還により江戸幕府が滅びた後、1868年に明治天皇が即位し、新政府は天皇を中心とした新しい国家体制を築くことを目指し、江戸を東京と改めて、政府の機能を京都から東京に移しました。日本がまた大きく変わり始め、憲政体制に移行した明治時代。江戸時代に流行った全身脱毛の文化は一体どうなったのか？西洋からの文化を取り入れた文明開花によって、日本の脱毛事情や美容事情はどう変わっていったのか？今回は、明治時代の脱毛事情について、歴史の背景とともにお話していこうと思います。
【目次】
1.文明開花の影響で、西洋レザー（カミソリ）が拡まった！
2.西洋化の影響で再びヒゲを生やすようになった明治時代
3.日本人の化粧は変？美人の基準も西洋化
4.今回のまとめ
文明開花の影響で、西洋レザー（カミソリ）が拡まった！
政府が富国強兵をスローガンに掲げ、他の列強国と肩を並べるために近代化を推進していく中で、華やかだった江戸時代に流行していたオシャレや美容は不要をされ、男性は産業と軍隊を支える健康体を維持するということが何よりも優先されました。ここから、江戸時代に花開いたメンズ全身脱毛の文化が急激に衰退していきます。日本に、洋式軍制の導入が始まり、1871年には「散髪脱刀令」が布告されました。この散髪脱刀令の内容としては、「髷を結わずに自由にして構わない。華族や士族は帯刀しなくても良い。」という強制力のない緩い規定でした。これを受け、明治天皇は自ら率先して散髪をしました。その後、新政府の人間を中心として、続々と散髪の風潮が広まりました。それにより、多くの男性のヘアスタイルが、文明開花の象徴とされる、髷を落とし、サイドを刈り込んで作る「散切り頭」となりました。このような西洋文化を取り入れようとする動きが、脱毛業界にも広まります。西洋から入ってきた西洋バサミやバリカンが国産化され、西洋レザーが一般庶民にも普及していったのです。これにより、手軽に髪型を変えたり、自分でムダ毛を処理しやすくなったり、髪型やヒゲのスタイルも様々に変化していくことになりました。
西洋化の影響で再びヒゲを生やすようになった明治時代
江戸時代に大髭禁止令で禁止されていたヒゲも、明治維新とともに復活します。明治天皇がヒゲを蓄えたことにより、官僚の間でも大流行しました。断髪と同じく、明治天皇は文明開花の一端を担っていたのです。ヒゲは徐々に戦国武将さながらに、権威権力を表す象徴に取って代わっていきました。社会的地位が高い人ほど、ヒゲを蓄える風潮になっていきました。官員の口ヒゲから始まり、学者や教員たちがヒゲを生やすようになります。ヒゲのスタイルも、色によって様々でした。平安時代の貴族のように口上にチョビヒゲを生やし、顎ヒゲを伸ばす天神髭は、教育者に好まれました。口の端と端に八の字になるように生やした八の字髭は、国家機関に努める官吏に多く、中国の武将、関羽のように頬と顎に長く美しくヒゲを伸ばすスタイルの関羽髭は、豪傑に好まれるなど、顔や好みに合うように様々なスタイルが生まれていきました。
日本人の化粧は変？美人の基準も西洋化
男性の全身脱毛の流行やヒゲを無くす習慣が廃れていった明治時代、女性はどうだったのでしょうか？男性のヒゲに並び、女性の美人の概念も180度変わります。平安時代から続いた引眉を始めとする眉剃りとお歯黒の文化が、明治時代初頭についに終わりを迎えます。日本人の伝統的なメイクは、外国人にとっては異様で、強い批判をされたからでした。イギリスなどのヨーロッパ各国でも、15世紀頃を振り返ると、なかなか奇抜なファッションやメイクであり、現代からすると美容の常識が大きく外れていたような印象もあるのですが、1800年代ともなると進化しており、日本独自の文化が受け入れがたかったようですね。こうして、明治の末期にかけて、メイク方法や美人の基準もどんどん西洋化へと移っていきます。その影響で、眉毛は剃らずに自然な眉の形を生かすように変化しました。しかし、額の美の概念は変わりませんでした。今でも美しいとされる「富士額」がこの時代でも美しいとされ、女性たちは生え際の産毛を剃って、その後に眉墨を引くというメイク方法が当時の美容所にも記載されています。
今回のまとめ
明治時代は、日本の伝統美と西洋文化を取り入れたことによる革新美の転換期でした。欧米列強と戦うためにせっかく拡まっていたメンズの全身脱毛は廃れていってしまいました。西洋レザーも入ってきて、江戸時代よりも確実に剃毛処理はしやすくなりましたが、時代の流行や風潮から、体毛の除毛をする文化は無くなってしまったようですね。しかし、現代はメンズ脱毛が流行しています！やるなら早めに始めるべきですね！
福井脱毛エステティックサロンUNO>>>ichikara
中村真綾
